Panel fourteen - Selected by Yasuno YOSHIDA

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吉田康乃による山岸杏里亜の『未来、将来』についての キュレーターコメント 

今回のテーマであるCultivateは、「耕す」という意味を持っています。しかし、Cultivateは他にも沢山の意味があります。「耕す」という意味だけに囚われずに他の意味にも目を向けるとそれまで見えてこなかった考えを思いつくことができます。Cultivateが持つ奥深さをアーティストの作品と共にお楽しみ下さい。

この作品は、中央に大きく描かれた鯨が最初に目につきます。深海を現す深い青に魚や小さい建物の白が絵にメリハリを生み出し、泡のような描写が施され、儚い印象を与えています。寒色で表された海とは色が違い、鯨は暖色で表されているので一目で主役ということがわかります。タイトルであるZukunftは「未来、将来」という意味があり、明るい意味が多いCultivateのテーマに非常に合っています。

最初に記した様に、Cultivateには幅広い意味があります。それ故、色々な解釈をすることができます。何かを育てる意味が多いCultivateですが、例えばその何かを「想像力」とした場合、Cultivateの意味は一つの解釈に縛られることなく、さらに広い意味を持つことが可能になります。

吉田康乃によるジェイ・フィニスの 『dwr glas』についてのキュレーターコメント 

「Cultivate」は、言葉の意味が1つではなく、複数あります。その複数の意味を持つ「Cultivate」だからこそ、豊富なアイデアを思いつくことができ、アーティストの受け取り方多種多様な作品がうまれます。

この作品は、光の明暗が青色の濃淡として現れるサイアノタイプというのが使われています。現在の写真のような多彩さ無く、青一色で表現されています。タイトルの「dwr glas」は、ウェールズ語で「青い水」という意味があり、複写技術と相まって素朴ながら鮮やかな印象を受けます。「洗練させる」という意味もある「Cultivate」に適しています。

最初に記したように「Cultivate」は、複数の意味を持っています。1つの単語に1つの意味しかないと思いがちですが、視点・思考を変えることで「Cultivate」の意味はより一層発展することができます。

山岸杏里亜(ヤマギシ アリア)

埼玉県出身 女子美術大学 芸術学部 美術学科 日本画専攻所属

普段は自身の「死生観」を用いた作品を制作

Instagram: @aria_yamagishi

ジェイ・フィニス

イギリスのノッティンガム出身 ラフバラ大学アート&デザインファンデーション所属

普段は様々な方法やメディアを試した作品を制作

キュレーター:吉田 康乃

東京出身 女子美術大学芸術文化専攻2年 西洋美術史ゼミ、芸術と法ゼミ所属