Panel twelve - Selected by Mayuko OSHIMA

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大島真由子による小西珠杏の『Goldfish』についての キュレーターコメント 

Cultivateという単語には様々な意味がありますが、みなさんは、どのような意味を思い浮かべるでしょうか。

例えば「修める」「培う」「養う」など、人の品性や態度に関することを思い浮かべるかもしれません。

あるいは、「耕す」「生やす」など、農業や自然について考える人もいるでしょうか。

この「自然」に関する作品として、小西珠杏さんの「Gold Fish」という作品を挙げます。

彼女は、この作品について、「汚れのない綺麗な自然には生き物が集まります。自然は壊したりむやみに侵入することをせず、大切に「育む」ことで安定し、新たな命が生まれると思います。それを願い、この作品を描きました」と語っていました。

Cultivateという単語から、水の生き物を想像するのは珍しいかもしれません。同じ単語でも、人によって想像するモチーフが全く違うのも、この作品展の面白いポイントだと思います。

大島真由子によるペーター・ガンの 『Cultivate』についてのキュレーターコメント 

貴方は彼の作品に、最初に何を見て、何を考えるでしょう。まず黒い線が見えて、それからカラーマーカーで描いたカラフルな線が見えて、文字が見えて、少し近づいてよく見ると鉛筆で描いた細かな描写が見えて...。それはランダムに描かれているように見えますが、離れて見ると綺麗にまとまっていて、なんだかワクワクするような気がします。 彼はこの作品に『栽培』というタイトルをつけています。栽培という単語にはさまざまな意味があり、人によって想像する意味が違ってくるでしょう。それぞれの人が、この作品を見てどのような意味を思い浮かべるのか? それがこの作品を見る楽しみかもしれません。

小西珠杏

東京都出身 女子美術大学ヴィジュアルデザイン専攻所属

普段はデザイン系の作品を制作

ペーター・ガン

中国出身 ラフバラ大学、アート&デザインファウンデーションコース所属

普段は抽象画やデザイン系の作品を制作

大島真由子(キュレーター)

東京都出身 女子美術大学芸術文化専攻2年 西洋美術史ゼミ、芸術人類学ゼミ所属

切り絵作家として活動中