Panel four - Selected by Sayoko HASEGAWA

panel 04

長谷川小葉子による竹田藍の『不死鳥』についての キュレーターコメント

竹田さんは「cultivate」を「向上させる」という意味で捉えた。

彼女は、この「向上させる」という意味がなければ作品を制作する事はなかったと言っていた。

下には緑の大地が広がり黒く大きな影を落としていて、天気が良いのだろう。大きな翼で風を切ってのびのびと飛んでいる様子が頭に浮かび、とても良い気分だ。

大胆な構図で描かれている不死鳥はグングンと上を目指していて、私達を前向きな気持ちにさせてくれる。 

彼女は動物が好きで普段から動物を沢山描いている事や、幼い頃に祖母の家で見た「トンビが飛ぶ景色」が印象的だった事を話してくれた。

作品を見た時、人の熱が直接触れたような温かさを感じるのは、彼女の思い出や想いが沢山詰まっているからではないだろうか。

長谷川小葉子によるマリア・ヴァーニーの 『Tied Up』についてのキュレーターコメント

彼女の頭の中で「cultivate」は「豊かさ」に、そして「過剰」という言葉に発展した。

「過剰」という概念のイメージ化にネットから溢れ出ている食肉を使ったという彼女。

農業から始まり、「同じものが集まっている」カリフラワーに惹かれ、そこから様々なものに発展し、この作品の食肉へと繋がった。

彼女が見せてくれた制作の過程には、純粋に興味がある事への強い探究心と、自分の世界観を創り上げる揺るぎないものがあった。この形になったのは、色々な過程を経ているからだと確信した。

この作品を目の前にすると、彼女の積み上げた思考があるという安心感から、表現された溢れ出る影に包まれる気分になるのではないだろうか。

竹田藍

東京都出身 女子美術大学短期大学部造形学科デザインコース(メディア)所属

動物が好きなので動物の作品を色鉛筆やデジタルで描いています。好きな映画の模写もよく描く。

Instagram: @ai.elsart    HP: SUZURI/https://suzuri.jp/QueenAi

マリア・ヴァーニー

ペルー、リマ出身 ラフバラ大学アート&デザインファウンデーションコース、テキスタイル&ファッション専門所属

制作物:ポートレート、テキスタイルデザイン、彫刻など様々

キュレーター:長谷川小葉子

愛知県出身 女子美術大学芸術文化専攻2年 芸術表象ゼミ、芸術人類学ゼミ所属

現代アートに関心があり、イベントや展覧会のスタッフをした経験もある。音楽も好きで習い事を始める予定。